便意を覚えている。
トイレの位置はわからない。
その時、どうするだろうか。
トイレのありそうな場所へ向かいつつ、トイレの案内を探す。
少し歩いてトイレの看板を見つけた。
……!?
でかでかと「トイレ→」と書かれた看板。
その右側の扉には「関係者以外 立入禁止」の文字が掲げられている。
ここが第1の関門だ。
このトイレには入れるのだろうか。
実際には使うことができても、自分が使うことはできないと勘違いして使わない者がいる。
この看板はそれを引き起こす一例である。
近くにわかりやすいトイレがあれば、そちらへ回る者も多いだろう。
さて、このトイレは使えるとする。
何せこんなにでかでかと書いてあるのだ。
使えないわけがない。
それでは、この扉の中にトイレがあるのだろうか。
第2の関門である。
立入禁止と書かれているが、開放禁止とは書かれていない。
扉に鍵も掛かっていない。
中にトイレがあるのか確認するため、扉を開けてみることにした。
しかし、中はただの船舶室だ。
中にトイレはない。
ここで中に入ってしまう人もいるだろう。
禁止と明示されていても、それを疑う余地があれば破ってしまう。
漢字が読めない者しか居なかった場合は、特にここがトイレだと思うだろう。
さて、トイレはどこだろう。
第3の関門だ。
あると思った場所にそれがなかったら、諦めてしまう者もいる。
実際はどこにあるのか。
扉の前に立ち、「トイレ→」の看板を眺める。
「→」と書いてあるのだ。
さらに右を見てみよう。
壁に沿って目的地を探すように90度右を向く。
すると、その突き当たりにそれはあった。
トイレだ。
心が安息で満たされる。
あなたはトイレを見つけられるだろうか。
Bad UIは日常に溢れている。
そんなBad UIを間違い探しのように探してみるのも一興である。